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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

つくられた心

 

近未来、理想教育モデル校が誕生する。防犯カメラ、防犯用収音マイクに加え、高度なアンドロイドが「見守り係」として紛れ込む。ミカは、高倍率の中で学校に入学できたことがうれしいが、クラスにアンドロイドが紛れ込んでいると思うと漠然とした不安に駆られる。表立ってはだれも言わないが、疑心暗鬼の中で、密かにアンドロイド探しが始まる。誰も彼も微妙に怪しい。と、いうあたりで正直アンドロイドはこの子では? と思ったが、さいごまで明確には明かされない(とはいえ、たぶん私の推理は当りだと思うが)。このきちんと明かさない点は読者にとって不満だと思う。しかも、ラストを人類の未来への不安にもっていったけれど、その前に教室のことをなんとかして欲しかった。面白そうな出だしだっただけに残念。