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南の国へ おもちゃの旅

 

くまのぬいぐるみのテオドールは、古くなって捨てられてしまいました。その夜、白い塔のある南の海べの村で、たくさんの子どもたちと遊んでいる夢をみます。テオドールは、その村を目指して旅に出ることにし、道中、こわれたおもちゃや人形たちが、次々に旅の仲間となって、目指す海辺の村にたどり着きます。おもちゃたちは、それぞれなかよしになった子どもの家で、心おだやかな眠りにつきました・・・という幸せな結末。
スイスの作家。アルプスの谷から始まるおもちゃの旅は、ヨーロッパからイスラム、アジアいくつかの文化圏をめぐり、さまざまな風景が画面に広がる。後半、腕利きの職人たちの町で、おもちゃたちは、壊れたところをすっかり直してもらい、お菓子屋さんでは、カラフルなあめをめいめい手にして、旅をしめくくる様子が、わくわくして楽しい。
最後に、実はテオドールがこの絵本をかいている、という種あかしがされています。 (は)