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ひみつの校庭

 

机の中に入っていた一枚の葉っぱから、5年生の葉太は自分の木を思い出す。木が多いこの学校では、自分の木を決めて、卒業までその木の観察ノートをつけるのだ。最後に見た時に、枯れかけていると思った木は、見に行くと元気だった。うれしくてノートを1冊書き終えると、校長先生がご褒美にと、秘密の鍵をくれた。学校に隣接する植物園に入れる特別な鍵だという。鍵を開けてそっと入ってみると、たくさんの珍しい植物や、死んだ自分の父親に似ている気がするやさしいおじさんがいた。植物の世話をするおじさんの話を聞きながら、葉太は、ますます植物が好きになり、親友の一成も観察ノートを終えて鍵をもらえるようにとさそう。おじさんの思いがけない正体や、望果や窓華などクラスの女子の意外な一面も知る。ちょっとファンタジー要素も入って読みやすい作品。