作者は、ミニチュア写真家・見立て作家。ミニチュアの人間たちが、せんたくばさみや歯ブラシ、鍵盤ハーモニカなどを組み立てていきます。
組みあがったそれらは、ぶらんこや街灯、ジェットコースターとなり、公園や町、遊園地の風景をつくる。ミルフィーユの列車やのり巻きの汽車も走る。やがて、今まで見てきたページが糸で綴じられ絵本に組み立てられていく工程が示されたかと思うと、最後はその絵本も「山」として風景の一部となる。
歯ブラシの毛が埋めこまれていく工程や、鍵盤ハーモニカの様々なパーツといったその物どおりの興味深さと、めがねやセロテープといった日用品がミニチュアの世界で何に見立てられているかページを見渡すおもしろさ。何段階にも”くみたて”られたつくりに感心しました。
幼児から高学年、おとなまで、幅広く楽しめます。 (は)