児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2

 

1と同じく、著者の息子の感受性から発せられる言葉に、おとなが考え、学ぶことの多い1冊。

日本の台風災害を伝えるニュースで「東京の避難所からホームレスの人が追い返された」というのを見て、ほかの人が自分をどう見るかを考えて係の人は行動したんじゃないかと読み取り、それは「避難所という社会を信じていない」からだと言う。英国の総選挙の際、中学校で行った模擬投票が「大人の選挙とは、真逆の結果になった」のを「大人はちゃんとマニフェストを読んでないんじゃないの?」。まるで日本のおとなたち(しがらみや義理にとらわれてる・・・)のことを言っているようです。

ほかに、中等教育修了時に行われる全国統一試験で、シティズンシップや芸術、体育、演劇、エンジニアリングなどを含めた合計32科目から選べることが、英国の知識人の幅広い教養につながっているんじゃないか、というのは著者の指摘。

息子と祖父(著者の父親)との関係性、会うと毎回、別れの号泣をするという、がいい。一方、13歳から14歳へ、おとなに近づいてまっすぐな熱さが薄まってきつつある、息子の”成長”も垣間見えます。 (は)