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おまつりをたのしんだおつきさま

 

ある晩お月さまは、星たちのうわさ話を耳にしました。人々が昼間、とてもきれいで楽しいお祭りをしていると。

うらやましく思ったお月さまは、夜の番人たちに頼んで、お祭りを計画。おいしいごちそうに楽しい音楽。飲んだり食べたりおどったり、お月さまは初めてのお祭りを存分に楽しみました。

ところが、夜どおし起きていた人々は、眠くて畑仕事ができなくなり、これでは暮らしがなりたちません。後悔したお月さまは、やはり自分は夜の空にとどまって、静かに人びとの眠りを見守ることにしたのでした。

メキシコ南部オアハカ州先住民族のおはなし。日がのぼった空に昨夕の月が残っている時、オアハカの人たちは、「ゆうべはお月さまが、お祭りをしてたんだね」と言うそうです。

現地在住の画家による絵からも、月や動物やお祭りの人形を、人間と同等に親しくみている先住民のとらえ方を感じます。 (は)