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ベアトリスの予言

 

厚さはあるが、読みやすいので本好きな子なら小学校高学年くらいで読みそう。名前以外の記憶を失った少女ベアトリスは修道院のヤギ小屋で倒れていた。ヤギのアンスウェリカは、強情で性悪だが、この子のことをしっかり守っていた。気の優しいエディック修道士は、具合が悪い女の子を解放。元気になった女の子が字の読み書きができることを知る。だが、この国では女の子が文字を学ぶことは許されていない。≪ある日、ひとりの少女があらわれて、悪しき心を持った王を追放するだろう。≫という予言。これが予言の少女なのか? ベアトリスは死にかけた兵士からの依頼で、彼の告白を書き記すためにヤギを連れ、案内してくれたジャック・ドリーと共に向かう。ジャック・ドリーは森で両親を殺された後、村のおかみさんに育てられた少年。そして、王と王の顧問は、予言の少女を恐れてベアトリスを探していた。ベアトリスの失われた記憶、逃れた森で出会う不思議な男。そしてベアトリス、ジャック・ドリー、エディック修道士、森の男カノックは、王と対決するために動き出す。ベアトリスの中にある物語がとても魅力的で、楽しく読める。