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きりこについて

 

極めつけのブスに生まれついたきりこは、両親から常にかわいいと言われ(美形の両親は本気でそう思っていた)、自分はかわいいと確信し、自信をもってまわりを巻き込む女の子として成長していった。ヒラヒラの服と顔とのギャップに、周りの親たちは絶句! 思わず我が子に「あの子とは仲良くしてあげなさい」と口走ってしまい、みんなの中心で君臨する。小学校の体育館裏で拾った黒猫のラムセス2世は、猫を理解してくれるきりこの絶大な支持者だ。だが、小学校5年の時に、初恋のコウタ君に「ブス!」と言われ、周りは突然きりこがブスだと気づいてしまう。だが、きりこにはわからない。きりこは、ただきりこなのだ。悩んで引きこもったきりこは、ある日覚醒する。ド派手な服を着て男の子と遊びまわっているちせちゃんが、ある日レイプされたくやしさを訴えるのに共感する。正直に自分を見つめるきりこがたどりつくのは? テンポよく、何ともこきみのいい楽しい物語。