児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

なんにもないない

  • 『なんにもないない』ワンダ・ガアク作 ブック・グローブ社 (1994/5/1) ISBN: 978-4938624125

三匹の犬小屋の真ん中にいたのは見えない犬。兄さん犬は、見えない「なんにもないない」を大切にしてくれましたが、ある時、子どもたちがやってきて二匹の兄さんたちを自分たちの犬としてかわいがるために、連れて行ってしまいます。見えない「なんにもないない」には、気が付かないで! 自分もかわいがって欲しいと思ってついていきますが、途中で眠ってしまって兄さんたちの行先がわからなくなってしまいます。見えるようになって、かわいがってもらいたい。そんな時に森のもにしりがらすが「てんてこまいまい ぐるぐるまい」と呪文をとなえると9日で見えるようになると教えてくれます。毎日少しづつみえるようになり、ついに見えるようになったとき、子どもたちや兄さん犬と再会してハッピーエンドとなります。言葉の響きが楽しい素朴な雰囲気の絵本。むしろ4.5歳位の子どもの方が、見えない「なんにもないない」の姿を見てくれるのかも、と思った。