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アンナのうちはいつもにぎやか

 

アンナ・ハイビスカスのお話  アンナのうちはいつもにぎやか

アンナ・ハイビスカスのお話 アンナのうちはいつもにぎやか

 

 アンナはアフリカの女の子、まっ白い壁のすてきな家におじいちゃんおばあちゃん、おとうさんおかあさん、たくさんのおじさんやおばさんにいとこ、双子の弟の大家族で暮らしています。おかあさんは、カナダ人で、子どものころは3人家族で自分一人の部屋があったというのですが信じられません。夜、一人でねるなんて怖くてたまらない。ところが、ある日おとうさんとおかあさんは家族だけで旅行に行こうといいました。ところが、海辺の家に着くと、おかあさんはおそうじとお料理でてんてこまい。アンナとおとうさんは赤ちゃんのふたごの弟のめんどうをみてヘトヘトです。おとうさんは、助けてくれるおばさんたちを連れてきました。そして次にはいとこが、おじさんたちが、おじいちゃんおばあちゃんがやってきてやっと落ち着きます。みんなが一緒ではないとうまくいかない楽しいアフリカの大家族のようすからはじまり、アメリカから帰ってくるおばさんがアフリカのことを忘れていないか心配したり、道でオレンジを売っている子どもたちが楽しそうに見えて自分もやってみたら大変なことになったり、次々小さな事件が起こります。著者はナイジェリアで生まれ、10歳で英国の寄宿学校に入ったアフリカ女性。アフリカのごく普通の女の子の日常が素直に伝わってくるのが魅力。挿絵も多く読みやすいので、ぜひ小学校2、3年から薦めてみたい。