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いまにヘレンがくる

 

母親が再婚して新しく買った家はいなかにある元教会。周りには家はなく、裏手には墓地が! 再婚相手の連れ子ヘザーは、母とモリーと弟のマイケルを父を奪ったとして敵視している。火事で助け出されたが、母を喪ったかわいそうな子だというけれど、仲良くしようとしても拒否され、いじめられたと嘘つくヘザーを好きになんてなれない。墓地で偶然Hの頭文字の子どもの墓を見つけてから、ヘザーの様子はさらにおかしくなる。だれもいない場所にヘレンと呼びかけている。そしてかつて近くの屋敷で火事があり、両親は行方不明、家から飛び出して池で溺れたヘレンという子がいたことがわかる。モリーには、うっすらとヘレンの霊が見えるが、だれもモリーを信じてくれない。一家の家が荒らされ、母とモリー、マイケルの部屋だけがめちゃめちゃになるという事件が起こり、モリーはヘザーが抱えていた秘密を知る! 表紙からして怖そうで、そそられるホラー。トラブルを抱えた子どもが、闇の存在にシンクロしてしまうというパターンは、よくあるものとも言えるが、ドキドキしながら読める。