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ながいながい骨の旅

 

ながいながい骨の旅

ながいながい骨の旅

 

 生き物が進化の過程で骨を獲得していく物語。絵本形式ではあるが、文字がそれなりにあるので読みきかせはちょっと難しそう。だが、カルシウムが生命活動にとって重要であること、骨の獲得が生き残りに有利に働き、地上への進出にも役立ったこと、「支える(背骨など)」「守る(頭蓋骨、肋骨など)」という骨の役割、さらに骨の中で血液が作られていること、その血は海を体の中に入れているような役割をしていることなど、よく整理されてわかりやすい。進化によって原始の生き物から遠くきたようでありながら、体の中に海を抱えているというイメージの中で、人間も自然の一部分であることを気づかせてくれる「気付き」のある本だった。