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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

わたしのせいじゃないーせきにんについて

 

 手を目に当てて泣いている1人の子を前に、クラスの子どもたちが言います。「わたしのせいじゃないわ」「ぼくはしらない」「自分のせいだよ」「みんなたたいたんだもの」。加害者や傍観者の子にとって心当たりがあるような言葉を並べ、本当に「わたしのせいじゃない?」と問いかけます。
スウェーデンでは人間関係や社会問題を扱う「オリエンテーリング科」という教科があるそうで、そういった背景で生まれたシリーズの1冊。小学校でいじめのあるクラスに考えさせるためにいい絵本はと聞かれたことを思い出します。前半のイラスト部分は、いじめを自分事として考えさせるきっかけにできそうですが、後半のモノクロ写真部分(目隠しをされて銃を突きつけられている人、原爆の雲、泣き叫ぶ子ども・・・)は、相当な準備と覚悟が必要です。  (は)