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子どもの美術 3(図画工作教科書)

 

子どもの美術全6巻セット

子どもの美術全6巻セット

 

 3年生向けでは、「お話」の場面をテーマに絵画と粘土作品を作らせます。子どもの作品例に番号や大きさのみ記してあり、どの話のどの場面かという説明は別にまとめてあります。作品だけをまず見て、何を描いたのか作ったのか自分なりに考え感じるための配慮のように思います。印象深い作品は「マッチ売りの少女」。数えきれないろうそくが夜空に向かって立ちのぼる炎のように描かれ、少女が見上げています。こんな挿絵は見たことがない!大人には描けないかもしれません。
個人的に記憶がよみがえったのは「えんぴつは自分でけずる」という項目。大阪にいた当時、確か3年生の時に全員「肥後守」を持たされ鉛筆けずりの練習をして大会がありました。子どもが不器用になっていることへの危惧があったと大人になってから知りましたが、この教科書でも、小刀を正しく使えばこわくないこと、道具を使える「自分の手をそだてよう」と呼びかけています。  (は)