児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

子どもの美術 6(図画工作教科書)

 

子どもの美術全6巻セット

子どもの美術全6巻セット

 

 6年生に向けた本書には、6年間の図工教育を通して伝え続けた創作の心がまえが総まとめされています。
うまく描こうとおもわなくていい、素直な心、飾らない心で。でも心はひきしめて。
確かな絵を描くには、確かな目と確かな手が必要。それらを育てるのは精一杯描くきみの心だ。
最後の安野光雅さんの文章は、「きれい」と「美しい」のちがいについて述べ、自然の美しさを感じる人に、と結びます。美術教師もし、教科書というものには反対、絶望しながらも、あえて佐藤忠良さんと教科書づくりに取り組んだことの希望の強さだと思います。
別冊に、出版社に届いた読後感が載っています。6年生の子が「ていねいな本だ」と!まさにこの言葉につきます。  (は)