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民主主義はだれのもの?(あしたのための本)

 

民主主義は誰のもの? (あしたのための本)

民主主義は誰のもの? (あしたのための本)

 

 1977年のスペインで出版された4巻シリーズ。スペインは1975年まで国王による独裁政治が行われていた。スペインの民主主義の歴史がそんなに浅いとは知りませんでした。
さて1巻目の本書では、民主主義を自由にできる遊びに例え、みんなで遊ぶためにルール(法律)がある、そのルールは自分たちで決めてつくる、遊び(社会)をよくしていくための代表は一人ひとりがよく考えて選び、そして選んだ代表が行うことをよく見なくてはならない、代表を通して私たちは政府に声を届けるのだ、と説明する。
正直言って、民主主義についてその考えと現実を伝えるのがとても難しいと思った。難しいけれども、頭も心もやわらかい子どものうちからぜひ一緒に考え始めたい。本書のコラージュされた挿絵が、それこそ自由に考える余地を生んでいて効果的です。例えば、どこか1ページのイラストを見て感じたことを思いおもいに話してみよう、といった方法で始められないでしょうか。  (は)