児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

クリスマスの小屋 アイルランドの妖精のおはなし

 

旅のいかけ屋が小屋の前に置いていった赤ん坊。小屋の夫婦はオーナと名付け我が子同様に育てる。成長したオーナは夫婦のために心をこめて働いた。オーナの夢は自分の小屋を持つこと。しかし夫婦が亡くなり、小屋は息子に譲られる。オーナは小屋から小屋へ渡り歩き、家事や子守りをしながら年月は過ぎ。オーナはすっかり年老いたが、なお夢は叶わず。最後の小屋を出たのはクリスマス・イブ。オーナは海を臨む丘の上の沼地にたどり着いて、しげみの中に横になった。ふと目を覚ますと、目の前に百の十倍はいる妖精たち。「眠って待っているがいい」と妖精たちは、歌いながらせっせと働く。次に目を覚ました時、オーナの目の前には夢に描いたとおりの小屋が出来上がっていた。それから毎年ホワイト・クリスマスの夜には、飢えたり独りぼっちになったりした者を、若いオーナが温かい食事で迎えるのだった。ふりがなはあって中学年くらいから読めますが、大人の方がじんわりする話。 (P)