児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

中高生のための「かたづけ」の本

 

”かたづけ力をつけて自分らしい人生を手に入れよう”ということだが、むしろ大人へ向けてのメッセージに感じる。というのも、ほぼ全体を執筆している杉田明子さんは一般家庭や会社に出向いてかたづけ指導をしていて、紹介される事例は”大人”ができていないかたづけ問題。それが子どもを含む家庭全体や会社全体に及んでいる。家庭でも学校でも教えないかたづけを子どもができないのは当たり前。逆に、教えて練習すれば3歳でもできますよ!という論です。

ポイントは”キレイが気持ちいい”という体験と、スーパーのように分類されてスペース(容量)を決めた環境づくりとのこと。具体的な手順としては➀すべて出す➁分ける➂選ぶ➃収める、と数多ある”かたづけ本”でよく見るワードですが、本書は「捨てる」がないのが特徴です。”プロ”(他人)が決めた基準で捨てても一時的にキレイになるだけ。失敗と練習をくり返しながら、自分にとっていい選択をする力(モノの、そして人生の)を体得することが大切とのこと。

年度末、子どもと一緒にすっきり体験してみましょうか!! (は)