児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ガラスの犬

 

 『オズの魔法使い』で有名なボームの短編集。ちょっと皮肉な調子を効かせた感じは、やややりすぎだったり教訓的と感じるところもあったが、空想力豊かでナンセンスな雰囲気は魅力。たまたま開けたトランクの中から海賊が飛び出してくる「屋根裏の海賊」などはこういう雰囲気のおはなしあるなぁと思うが、お金がないまま残された10歳の王子さまを、一番金持ちの女性と結婚させようと家来たちがオークションを開催して、意地悪そうなおばあさんが落札する「クオック王妃」など、読んでいてあきれてしまうような設定だ。やや訳文が硬い感じがして気になり、それが余計20世紀に入ってすぐ出たこの作品の時代がかった感じを強めているように思ったが、意図的?