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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

境い目のない世界

 

作者がスーパーのビルの上の階で、小さな店がならび落ち着かない感じの中高生が歩いていたのを目にしたのが、この作品を書くきっかけだったという。ヤエは口うるさいお母さんのもとでまじめにふるまう子だったが、同じ中学3年のタチに惹かれ、やや奔放なマサ美にも憧れている感じだが、二人の様子がおかしい。普通の商店街のビルの上に怪しげな人形の店があり、パスワードでどこかに行く相談をするタチを見てから、そこに行きたいと思い、だが、結局それがなんだったのかわからないで終わる。イメージはあるけれど、フワフワし過ぎで、しかも、それがオトナがイマドキの中高生を見ている視点に感じてしまって、私は共感できなかった。