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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

わたしのアメリカンドリーム

 

ミアの家族はアメリカに来て2年。でもパパもママも懸命に働いているのに、ちゃんと暮らしていくのが難しい。レストランを首になった両親は住み込みのモーテルの仕事にとびついたが、家賃は無料だけど、両親が必死に働いてもなかなか仕事はまわらないし、給料は最低。両親を助けようとミアは、はりきってフロントを受け持ち、懸命に仕事をする。でもオーナーのヤンさんは、何かというと給料から経費をひくし、息子のジェイソンも意地悪。学校ではルーベという友だちができたけど、見栄を張って飼ってもいない犬がいるとか嘘をついてしまう。しだいにわかってくる中国人ジェイソンや黒人への差別、仕事でほめらる誇らしさ。だけどジーンズさえ買えないくやしさ。何とかしてまともな暮らしに這い上がりたいと、モーテルを懸賞とした参加費300ドルのコンテストに応募してみるが、夢はかなわずコンテストそのものに詐欺疑惑! ヤンさんがモーテルを売却する必要が生じたときに、みんなでお金を出し合って買い取るラストは、感動的だけど、この後大丈夫かしら? ものすごく多くの人に配当金を分配するわけだけど、人によっては不満もでるだろうし、会計報告もきちんと作らなければいけない。私だったら、続編を書くな。まず、少額の出資者分は利子をつけて持分を買い取って、ある程度人数を減らす(そうしないと現実的に業務が大変過ぎるのでは?)。でも、メンテナンスや固定資産税、修理積立と会計・事務管理費を支払ったら、そんなに贅沢な暮らしとは言えないかも。その中で共同で運営をうまく軌道に乗せるというのは、なかなかスリルとサスペンスな物語になりそう。