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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ぼくの犬スーザン

 

ジェイクはクリスマスがだいきらいだ、いつもと違うことが起こるから。同じことが起こるなら、安心、いつもと同じ食べ物、いつもと同じ家の中なたいいのに、変わってしまう。時間割が決まっていて安心な学校まで、特別授業をするといい、いつもの先生がお休みで代わりの先生が来たので、ついに大パニックを起こして教室を飛び出し、学校に飾ってあったツリーを倒し、ガラスを割ってしまい逃げだした。家に帰って、両親や兄から注意をされてまたパニックになって逃げ出した。だが、お気に入りの隠れ場所で一匹のノラ犬と出会う。おびえているその犬にひきつけられて、サンドイッチを分けてやった。探しに来た兄さんは、犬の名前を聞いたので「スーザン」と名前をつけた。家に連れて帰ると、家族は驚くが、そのまま犬を認めてくれた。スーザンと一緒なら、こころが落ち着く。ジェイクはいつもどおりじゃないとダメなのだが、スーザンが「いつも」になってくれる。学校にいくのだってスーザンさえいてくれるなら大丈夫。学校もスーザンと登校するジェイクを認めてくれた。スーザンといっしょなら、朝ごはんのトーストだって作れる、落ち着いてなんでもできる。だけど、スーザンには飼い主がいた! 交通事故に会って入院していた飼い主は、事故の後、車から行方不明になっていた飼い犬を懸命に探していたのだ!  この物語は、字も大き目で挿絵もかわいいが、他の人と違った形で世界を見ているジェイクという主人公を理解できるのは、あまり小さなこでは難しいかもしれない。他の人には普通にできることが耐えられないジェイクについて、特に解説をつけるのではなくその姿を書いている。決して、悪意をもっているのではなく、そうせざるをえなくなって大声を出してしまったり、バニックになるジェイクを理解することは難しいかもしれないが、スーザンという犬への思いを契機に、共感をもってもらえるのではないかと思った。