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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

12音のブックトーク

小学校の卒業直前に、友だちから仲間はずれにされる経験をした初奈は、中学に入ってから、どうやって周りと接するのが怖く、自分を出せなった。朝読『ことだまメイト』を読みながら12音で同じ願い事を書いた人間同士が入れ替わってしまうという設定を読んで、つられるように自分の願い事「もう猫をかぶりたくない」を書いたとたん、知らない教室の中にいた。呆然としたが、その子が同じ言葉を書いていたことに気がつく。朝読の終わりと共に元の教室に戻り、それから毎日、朝読10分間、600分の間だけ入れ替わってしまう。自分は誰と入れ替わったのか? そして、入れ替わっていた時にきいたブックトークと、それをしてくれた先輩に心惹かれる。その後、市の図書館で『ことだまメイト』の著者のイベントに参加し、入れ替わった柚奈とめぐりあう。二人は一挙に親しくなり、柚奈から初奈としてブックトークをすることで、イメチャンを手伝う言われてOKしたのに、突然入れ変わりがなくなってしまった。今さらやめるとはいえない初奈がチャレンジするブックトークとは? 表紙の絵がかわいくて、手に取りやすそう。入れ替わりという設定は楽しいし、そこにブックトークからめてきて、実際の本が紹介されているので、ちょっとこれ読んでみようかなとそそられる。超読書家ではなくても、ちょっと読んでもいいかな、という子にオススメだと思う。