児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ローズの小さな図書館

 

ローズの小さな図書館 (児童書)

ローズの小さな図書館 (児童書)

 

 概要

1939年、大凶作で父親が蒸発した後、母親と兄弟と共に、母親の故郷にやってきた主人公ローズ。

17才と年齢を偽って、移動図書館の運転手として働き始める。

おはなし変わって1957年。ローズの息子のマールヘンリーは、自分の仕掛けた罠に愛犬を挟まれた。愛犬は一時は助からないかと思われるが、足を切断して生還する。

おはなし変わって1973年。マールヘンリーの娘のアナベスは友人に宿題を写させたことを先生に告げ口したとして、嫌がらせを受けるが、いじめには立ち向かう決心をする。

おはなし変わって2004年。アナベスの息子のカイルは夏休みに図書館でアルバイトをする。ハリーポッターに夢中になり、図書館の仕事にも少し前向きに取り組めるようになる。

そして同じく2004年、79才になったローズはこれまでの人生を振り返って本を書く。そして、出発点となった図書館で、その出版記念パーティーが開かれ、一族勢揃いする。

感想

ローズと移動図書館の話かと思ったら、そこはほんの一瞬で、四世代の少年少女のそれぞれの時代のそれぞれの悩み・喜びを綴った連作であった。

どの時代も、図書館が、ちょっとずつ顔を出していて、通奏低音になっているのだが、あくまでもちょっとずつだ。もうちょっと、どこかに絞ってもよかったのかもしれないけれど、四代記にしたいのじゃしょうがない。

それでも、図書館についての記述は少しずつでも確かに興味ぶかい。1939年当時すでに、移動図書館が活躍しているアメリカという国ってやはりすごい。

余談だが、ローズは若くして結婚したとはいえ、48才にしてすでにおばあちゃん。これもすごい。