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竜が呼んだ娘

 

竜が呼んだ娘

竜が呼んだ娘

 

ミアはひ弱に生まれ、生き延びられないと見限られたか母親にも捨てられた。だが、二のおばは、根気よくミアを大切に育ててくれ、無事に成長した。ミアたちの村は、遠い昔政変に敗れた者たちが閉じ込められている谷間の村で、外にでることはかなわない。だが、竜に選ばれたものだけは出ていくことができ、それは名誉なことだ。両親もなく、人より遅れて育ったミアは自分が選ばれるとは夢にも思っていなかったが、竜はミアを選び、ミアの一族だけが使える薬草をもって外の世界に向かう。連れていかれた先はなんと王宮。そこには奥との間を仕切る有能だが横柄な女官リリスがいて、ミアにつらく当たるが、二の叔母が仕込んでくれたきちんとしたマナーに助けられる。ミアの役目は、行方不明になった竜騎兵ウスズとその竜、ウスズの恋人だった魔女星の宮を探すことだった。偶然に助けられ、ウスズたちを見出していく中で、リリスこそ自分を捨てた母であったことを知る。みそっかすだったミアが立派に役目を果たし大円団で終わるが、世界の構築が甘い感じが否めない。竜に選ばれる? と思うと、どうも竜は人間に仕えているようだし、敵対勢力の正体もいまいちあいまい。貧苦の中の金鉱の子どもたちともそれっきり? など正直不満。実力がある方なので、もうちょっと頑張ってほしかった。 

幸い、続編が出たのでそちらに期待します。