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情報図鑑

 

情報図鑑―博物館から大自然までのガイドブック

情報図鑑―博物館から大自然までのガイドブック

 

書き手の”人”を感じる文章に心をつかまされるシリーズの1冊。
古今東西さまざまな事象について、全国の博物館や遊園地、町並み、大自然を執筆者が実際に訪れ取材し、約2600項目を選定して紹介している。巻末には都道府県別の索引もつく。
とにかく、パラパラとページをめくるだけで、何かしら自分の興味に引っかかること間違いなし。私が気になったのは、漂着物という項目の「漂流物をひろう会」。平塚市博物館へ問い合わせたら2008年度で終了したとのこと。この博物館では、地域の人々によって随時、様々な研究会活動が行われており、その成果が博物館の展示物に加わることもあるそうである。
滝靖之氏によると、子どもの勉強嫌いをなくすには、いかに知的好奇心を伸ばすかにかかっており、それには「本物を見せる」ことだそうである。さらに「親が知的好奇心を持つことが重要」で、そうすると「認知症のリスクが下がる」そうである(東北大加齢医学研究所教授、東京新聞2018年5月16日「いきいき健康脳」の記事より)。
ネット検索の時代にあって1992年以来改訂されていない本書だが、知的好奇心を刺激する1冊として子どもから大人までおすすめしたい。