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チェロの木

 

チェロの木

チェロの木

 

 「わたし」のおじいさんの仕事は、森の木を育てること。子どものころ、一緒に森に行った時にヤマバトのこどもがさえずる練習をするのを「ぐぜり」というと教えてくれた。「わたし」 のとうさんの仕事は、バイオリンやチェロをつくること。とうさんが作ったチェロを奏でたチェリストのパブロさんの演奏に心を奪われた「わたし」にとうさんはおじいさんが育てた森の木で小さなチェロを作ってくれた。そして成長した「わたし」は、子どもにチェロを教える仕事をしている、という三代にわたる物語。絵本形式だが、内容的には高学年かと思われる。抒情的な雰囲気が大人に好まれそうだが、ちょっと構成が弱いように感じた。まず冒頭の「ぐぜり」のイメージはすてきなのに、その後使われないこと(「わたし」の練習はじめとか、子どもに教えているシーンで使えば効果的だと思うのだが)。「わたし」が森で眠ってしまうシーンも雪も降っているし、寝たらキケンな気がするが、寝ちゃったけどそのまま家に連れて帰ってもらったであっさり終了。これももう少しきちんと書けばいい気がする。なんとなく雰囲気に流されている感じなのが残念。