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気分はもう、裁判長

 

気分はもう、裁判長 (よりみちパン!セ)

気分はもう、裁判長 (よりみちパン!セ)

 

裁判の傍聴をしてみよう! というお誘いの中で、裁判とはどういうものか? なぜ公開されているのか? なぜ裁判が必要なのか? ということがわかりやすく書かれている。具体的な内容は「窃盗事件」「強制わいせつ(痴漢)」「離婚裁判」「サギ事件」「強盗事件」「殺人事件」と徐々に深刻なものになっていくが、悪いことをした人を単に懲らしめる(罰する)だけではなく、その人が立ち直って、以降同じような犯罪を起こさないようにすることがとても重要であることが裁判の目的ではないかという説明が、裁判のようすを説明する中で少しづつ語られていくことが、とても説得力があった。私たちと犯罪者は、全く別の人間ではない、条件を整えたり支える制度を作ることで、その人がそれ以上犯罪をしなくなれば、社会にとっても良いことは間違いないのだから。