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かがくとなかよし いのちの木 あるバオバブの一生

 

いのちの木―あるバオバブの一生 (大型絵本―かがくとなかよし)

いのちの木―あるバオバブの一生 (大型絵本―かがくとなかよし)

 

 絵本形式だが文字数が多く、科学読み物といった方がよさそう。そそっかしいハイエナが上下を逆に植えたので、枝が根っこのようになったというおはなしが伝わるバオバブ。雨季の予兆で芽吹き、いろいろな生き物に住まいや食糧を与えるバオバブ。とりわけゾウが乾季にバオバブの柔らかく樹液の多い樹皮を食べて穴があくようすの絵は、それでも再生するバオバブの生命力を感じる。ついに再生不能になると地面に崩れ落ち、次の若木に場所を譲る。絵は遠目がきき美しいが、文字数とのバランスでよみきかせには向かないと思う。だが、ブックトークの中の一冊として絵を見せながら紹介すると効果がでるのではないかと思う。