児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

明日のランチはきみと

 

 インドでは常に運動も勉強も得意でトップクラスだったラビ。だが、アメリカに転校するとラビの英語は発音が悪いと語学能力不足扱いを受けてしまう。ずっと英語を使ってきたのにと内心納得いかない。一方、元からクラスにいたジョーは、小太りで音に過敏な体質のために授業に集中できずにみんなからバカにされている。インド系だがアメリカ生まれのディロンはかっこいいと女の子に人気だが、実は陰険ないじめっ子で、ジョーは、いつもひどいめにあわされている。おまけにジョーはママが学校の食堂で働き始め、恥ずかしくてたまらない。自分は優秀だというプライドが空回りしてしまったラビは、自分がトップでいられなくなったことをきっかけに自分を見つめ直す。二人が手を組んで、ディロンに立ち向かうのがクライマックスなのだが、それぞれの両親がとてもやさしいことに正直一番感心してしまった。特にジョーのママは、やっと見つけた職なのに、ジョーが嫌がるというので最後は退職を決めてくれるのだが、そこはジョー、わがままだろう! とつい思ってしまいました。アメリカの児童文学に出てくる親は、かなりレベル高いといつも思うのですがこれは実態を反映? それとも理想? ちょっと気になります。