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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

放射線の大研究

 

監修の原子力教育を考える会は、2000年から、原子力放射線についての公正な情報の発信をテーマに活動を重ねてきた。見えない、感じない放射線についてその危険性を正しく知り、自分の身の守り方を考えてもらいたいという思いでつくられている。
第1章「放射線の基礎知識」で、原子のしくみや原子力発電の原理など。第2章「放射線による人体への影響」で、放射線が人体を通りぬけるときにDNAを傷つけることで起こる障害や生物濃縮など。第3章「放射線から身を守る」で、食品や水、遊ぶ場所に放射能汚染の心配があるとき、原子力施設の事故が起こったときに気をつけることなど。

断片的だったりモヤモヤが解消されなかったりする情報ではなく、総合的にとてもわかりやすい。それだけに、これほどかみくだいて説明されても、専門的で複雑すぎる放射線原子力の話。そして、これほどに気をつけて暮らしていかなければならないことを知る子どもたち。それでもめげずに、「正しく知り」「考えること」を続けていくしかないんだと、「はじめに」のメッセージから私は背中を押されました。(は)