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火の鳥ときつねのリシカ ―チェコの昔話

 

表題話は、食べ物を分けてくれた王子への恩をつらぬくきつねのリシカが、王子の自らまねく窮地を何度となく救い(兄に殺されてもよみがえらせる!)、壮大な親心を感じる。「いじわるな妖精」は、動物や人間の目をとってしまう妖精を出し抜いておじいさんの目を取り返す若者ヤネチェクの話。「水の主ヴォドニーク」はヴォドニークにまつわる短い言い伝え。また、語りでよく聞く「十二の月」や「七羽のカラス」がよりドラマチックな細かい描写で読みごたえがある。

同じく木村有子翻訳の『金色の髪のお姫さま チェコの昔話集』からの10話を含む24話。 (P)