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クヌギ林の妖怪たち 童話作家・富安陽子の世界

 

斉藤洋が、富安陽子が日本児童文学新人賞を受賞した『クヌギ林のザワザワ荘』を読み解き、さらに富安陽子と対談をしている。自分も児童文学作家だけに、評論というより世界の作り方を見ているような感じで、とても面白い。そして、素直に不思議な世界に入っていく富安陽子の資質が見えてくる。改めて作品をみていくと、富安陽子の作品が、きっちりと世界ができていることがよくわかる。そして、それとは少し違うアプローチをする斉藤洋の個性も見える。斉藤洋富安陽子のファンだったら、絶対に楽しめると思う作品。