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14歳のための時間論

 

ゆらぎ理論の研究者が、「時間」についての謎を、主に「心」の側面から説き明かす。日曜日から土曜日の1日1テーマで7章という設定。ゆったりとした文字組で、やさしく語りかけながら、とにかく幅広い話題。物理と哲学の迷宮に入りこむ解説に、すっきりなるほど!とはなりません。でも・・・


・時間が逆戻りしないのは、「宇宙が膨張しているから」。
・太古の人間は周期的な「心臓の一打ちの間隔」を1秒として使っていたらしい。

・人の生体信号はすべて、細胞をつくる原子・分子による1/fゆらぎをしている。
・表現方法の「いちばん根源的なもの」は、言葉や文字ではなく、「音」だった。


・・・と、太古や宇宙、ミクロの世界へ思いをはせ、詩や音楽、胎児の聴覚なども話題にした結果、「時間」は1人ひとりが持っているあなただけのもの、というメッセージは力強く届きました。 (は)