児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

とき

 

「いつ?」―宇宙の誕生ビッグバン、「おおむかしの そのまた おおむかし」―恐竜時代・・・1ページずつ、ごくごく少ない言葉と、ある時代を表す絵。時代はどんどん下っていく。「おとうさんの こどものころ」、「わたしがうまれた!」「きのう」「けさ」「1びょうまえ」「いま」。最後は、ベッドで眠っているわたしと、擬人化された三日月が自転車を猛スピードでこぎ去ってゆく姿。「ねむっているあいだにも ときは すぎてゆく」。

1ページあたりの時の流れが、何億年から、年、月、日と短くなるごとに、画面も宇宙から1軒の家、部屋の中とクローズアップされ迫ってくる。時間は前へ前へと進み、1秒前ですらどんどん過去になってゆくこと。まさに「けっして あともどりしない」「とめることは できない」時を体感して、どきりとするラストです。 (は)