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戦争遺跡から学ぶ

 

およそ50か所の戦争遺跡について、26人の執筆者が分担して紹介。読み通すというより知りたい項目を資料集的に読む1冊。巻末の「すぐわかる戦争用語」や「近代日本の戦争史年表」は、基本的知識を得られます。

戦争遺跡の定義を、「近代日本の対外(侵略)戦争とその遂行課程で、加害・被害・反戦抵抗にかかわって国内および国外で形成され、かつ現在に残された遺構・構造物および跡地のこと」としています。被爆者、戦争体験者が減っていく中で、「戦争の記憶は『ひと』から『もの』へ」移るとし、全国各地に必ずあるはずの戦争遺跡を調査・研究・保存していく必要性も、訴えます。

本書の姉妹篇として出された『日本の戦跡を見る』が、内容、文章ともやさしいので、そちらを先に読むことをおすすめします。 (は)