全校演劇「海よ光れ」と学校新聞「海よ光れ」がある大沢小学校。3.11の津波が押し寄せてきた時、高台にある学校は被害を免れ、児童も全員無事だった。だが、学校はそのまま避難所となり、家族の安否もなかなかわからない。そんな中で、避難所の仕事を担い、また学校新聞をだして被災者に希望をもたらした子どもたちの記録。作者は岩手県在住の児童文学者。3.11からはや12年。登場している子どもたちも23歳、24歳となっている。さいごに彼らの現在がでてくるが、同時に、最後は大沢小学校の閉校。学校が消えることで、この地域はより寂れていくのではという事も思ってしまった。現在の小学校高学年の子は、3.11をリアルには知らないが、最近も能登で大きな被害があった。過酷な体験をした子たちの方が、この本に思うことがあるかもしれない。