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レーエンデ国物語  夜明け前

 

3巻目よりさらに100年以上を経た聖イジョルニ歴888年。4代名家の長男として生まれたレオナルドは、全ての人間が平等に扱われる理想を抱き成長していった。父親は残虐な性格で法皇に上りつめる。彼の異母妹にあたるルクレツィアは、父により片足を失った。レオナルドの家に引き取られたルクレツィアは、当初父と同じ赤い髪のレオナルドを畏れるが、彼のまっすぐな気性を知り慕うようになる。同居するいとこのステファノは、野心の強い母に煽られ、芸術家気質でルクレツィアに恋をする。そんな中、レオナルドとルクレツィアは、法皇の秘密である御子の存在知る。願いをかなえさせるために、歴代法皇からの虐待を受け続けてきた御子。そして御子が耐え切れなくなるときは、御子とレーエンデが共に滅びる。ルクレツィアは、御子を救うためにレオナルドと袂を分かつ。父ヴァスコを操り、徹底した弾圧と戦争によりレーエンデ人に圧力をかけることで、レーエンデ人の独立を促そうとしたのだ。ステファノは、ルクレツィアに操られて、軍で民衆の殺戮に手を染める。一方、レオナルドは、各地を周りながら、教育の力で啓蒙しつつ、革命の火の手をあげるべく奔走する。そして、暴走するルクレツィアを止めるために銃を取った。果たして革命は成るのか? という4巻。だけど、革命を起こすための弾圧というのはどうなのか? 革命が起こる要因とは何なのだろうとおもわされた。