朝もやの森へ、きいちごつみに出かけた「わたし」。くるみの木の葉や、くさはらの朝つゆに話しかけながらすすむと、りすや小鳥、森の動物たちの姿も見えてきて。
ふと目をつぶり、夜の森を思いうかべてみる。聞こえてくるのは、花の呼吸、シダがのびをする音。動物たちが、わたしのまわりに集まってくる。
とつぜん、タン!と、のうさぎがはねる音がして、森はまた朝の光。わたしは、かごいっぱいのきいちごを持って、家に帰ったのでした。
「わたし」が語る、私の中に映る森の世界。読み聞かせるなら、高学年から大人向きです。
木の実をつみに行く話で、幼児から楽しむとしたら、ベスコフの『ブルーベリーもりでのプッテのぼうけん』がおすすめ。小人の世界に行って帰る楽しさを、一緒に体験できます。 (は)

