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白鳥のトランペット

 

白鳥のトランペット (福音館文庫 物語)

白鳥のトランペット (福音館文庫 物語)

 

 自然の中で過ごすことが大好きなサムは、お父さんといったキャンプ地で、白鳥の一家と出会う。そこの末っ子ルイは、声を出せない白鳥だった。文字を習うことを思い立ったルイのため、サムはルイを学校に連れて行く。さらに、白鳥のとうさんは、ルイの声の代わりにとトランペットを盗む。ルイは、トランペットの名手となり、盗んだトランペット代を稼ぐため、演奏で金をもらう。そしてトランペットの音色で美しい白鳥セリーナの愛を射止める。ハンディのある息子を助けようとする白鳥家族の愛、やサムとルイの絆など暖かい物語だが、ルイが簡単に街に戻ったサムを見つけられたり、人間の言葉を自明のこととして理解しているという世界観は、小学校の中級位までではないか? また、自分の子白鳥を動物園にあげるというのもいいのか? など、正直ちょっとひっかかった。おもしろかったのは、サムの友人が白鳥を嫌いだといったとき、先生がそれを否定せず、「人間だれでも、好き嫌い、偏見があってもいい・・・だが、これだけは忘れないように、ルイはきみたちのリーダーのひとりだ、好きだろうときらいだろうと敬意をはらわなくちゃいけないよ。」という。これはアメリカの発想ですね。でも、なんかいいと思います。