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空を飛ぶ昆虫のひみつ

 

空を飛ぶ昆虫のひみつ

空を飛ぶ昆虫のひみつ

 

写真自体は飛んでいる昆虫の姿を捕らえた美しいものだが、正直読みにくかった。「いろいろな飛び方」から始まるが、最後の方で急に昆虫以外を取り上げ、さらに「飛ぶ能力をパワーアップ」として飛び方を調るコーナーを置いていて、飛び方の理解をどうとらえていけばいいのか混乱した。また、早々に「イケさん、コーイチさん」と友達らしき人が登場するが、最後近く54ページころに、イケさんは映像作家などやっとどういう人かわかる。本人にとっては自明のことでも、こちらは初めて本で見るので、飛び方とか登場人物など、最初からわかるように整理して欲しい。難しい用語も多く、解説があるものもありますが、無いものもあり、昆虫に詳しくないと、大人でもどういう機能を指しているのかわからなかった。また「ぼくの顔にとまるひとなっつこいオオヤマカワゲラ」などの表現があったが、これはたまたまとまったかだけだと思うので、それでひとなつっこいと言っていいのか?など、記述の全体的な論理性が弱いと感じた。瞬間写真として見るには美しいが、飛ぶひみつの解説としてはちょっと弱い。