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山のちょうじょうの木のてっぺん(2020課題図書 小学校低学年の部)

 

山のちょうじょうの木のてっぺん

山のちょうじょうの木のてっぺん

  • 作者:最上 一平
  • 発売日: 2019/09/20
  • メディア: 単行本
 

 いがらしくんは、幼稚園の時に豆まきの豆を鼻の中に入れて取れなくなってしまうというような事件を起こした男の子、対してにしやんはおとなしくて人とろくに遊んだり話したりもできない男の子です。ある日、運動が苦手のにしやんが必死に走って家に帰るのでいがらしくんがついていくと、飼っている犬のごんすけが死にそうだとわかる。にしやんにとってごろすけははじめての友だちだったのだ。にしやんは、ごんすけは死んでも死なない気がするという。ごんすけは頑張ったのち、大風が吹いた日に風にのってでかけるように死んだ、というラスト。主人公二人が何歳かは書いてないが、たぶん1年か2年なのだろう。にしやん、ごんすけには思い入れがあるけど、いがらしくんとにしやんは友だちなのか? というような雰囲気。何となく物語世界がわからないし、子どもたちが読み継いでいく本とは思えない。ただ、犬が死んじゃうという話なので、ペットを飼っている子などは、それとからめれば感想文を書きやすいかもしれない。