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青いあいつがやってきた!? (2020課題図書 小学校中学年の部)

 

青いあいつがやってきた! ? (文研ブックランド)
 

 団地から、両親の夢だった庭付きのマイホームに引っ越して来たサトシ。でも、まさかのタイミングでお父さんは単身赴任となり、フルタイムで働き始めたお母さんは土曜日まで仕事がある。新しい学校で友だちを作れないまま2カ月が過ぎてしまったサトシはちょっと元気がない。窓から流れ星を見て、願いをかけたらかなうのだろうか? と思った。翌朝、お母さんがすでに出かけたテーブルに行くと、全身青くて、カッパとしか思えない変な生き物がいて、お前と一日過ごす! と宣言されてしまった。お母さんから夜に職場の歓迎会があるという電話をもらったサトシは、あんまりだと辛くなり、小さくなってポケットに入ったそいつと一緒に外に飛び出した。転校してから、自分の居場所がつかめずに、一人で本を読んだり静かにしていたサトシだが、カッパにけしかけられて、新しい食べ物にチャレンジしたり、お祭りではじけ、カッパは去っていった。家に帰ると、心配したお母さんが、歓迎会にサトシと一緒に行こうとしたのにと心配して待っていて、お父さんも慌てて帰ってきてくれた。そして、祭りの元気な様子をみた同級生たちに遊びに誘わてハッピーエンド。転校した心細さとか、自分の所にこういう謎のカッパが来たら、とか書いたらいかにも定番の感想文が書きやすそう。でも、お話の展開が想定の範囲内の感じで、しかも最後にカッパが自転車をおして空を飛ばせてくれるところはET!? と微妙に突っ込みたくもなった。本を読み慣れていない子が、無難に定番の感想文を書くには向きますが、読み継がれていく物語とは言えない気がしました。