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ねこと王さま(2020課題図書 小学校中学年の部)

 

ねこと王さま (児童書)

ねこと王さま (児童書)

 

 一番の友だちのねこと一緒にお城で楽しく暮らしていた王さまは、ドラゴンにお城を焼かれてしまったせいで、家をさがさなくてはいけなくなります。仕事をしてくれていた12人のめしつかいは他の仕事を探しに出ていってしまい、王さまはねことふたりきりになりました。おしろ横丁の家で暮らし始めた王さまは、お隣りの男の子と女の子がいる一家と仲良しになります。王さまは、今まで王さまの仕事しかしたことがありませんでしたが、少しづつ物を運んだり、狩りのかわりにスーパーで買い物をしたりという仕事をおぼえていきます。昔の暮らしを懐かしく思いつつも、ちゃんと新しい暮らしを学び楽しんでいく王さまと、それを助けてあげるしっかりもののねこの組み合わせがユーモラスで気持ちいい。それなりの長さはあるが、きちんと物語が描かれているので、読むのが苦手な子でも少しづつよんだり読んでもらったりしたら、十分に楽しめるであろう。