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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

みみずのカーロ シェファー先生の自然の学校

 

ドイツのメルディンガー小学校でのシェファー先生と子どもたちの取り組みを紹介している本。ゴミのリサイクルは、始めた時は良くても続かない、それではどう続けるか? という視点でみみずのカーロを観察しながら、カーロが食べられるゴミと食べられないゴミがあることを確認して、カーロのための環境づくりに取り組んでいく。理想を実現するために、一つ一つ子どもたちと確かめたり、地域で実証して、みんなで納得しながらやっていくところが良い。現在ではこうした考え方がかなり共有されているが、シェファー先生が始めたのは1990年の少し前、極めて先駆的なこころみだったと思う。実際にミミズを観察しながら、環境問題を考える、というのを真似して実践できそう。