中学校に入る前の夏休み、ピーターは親友のトミーと一緒に初めてマナティーを見つけた。昔、マナティーと出会ったときのことを繰り返し話してくれたおじいちゃん。だが、今おじいちゃんは認知症になり、ピーターのことがわからなくなる時さえある。母さんから頼まれて、おじいちゃんが外を出歩かないように注意しながらサポートもしている。だが、おじいちゃんのことを打ち明けられなくて、トミーを家に呼べない。そんな時、出会ったマナティーが大けがをしたのを発見した。ボートにぶつかって負った傷だ。近所に住む意地悪なボートクラブ会長のレイリーさんの家の近くだ。犯人は絶対レイリーさんだ! マナティーの保護団体に救出を依頼。その様子を撮影にテレビが来た時に、犯人として思わずレイリーさんの方を指さした。激怒したレイリーさんは、不動産の営業をする母さんを脅す。レイリーさんは、不動産を複数もっていて、取引から外してやると言うのだ。許せないピーターは、ボートクラブの総会で、マナティーの保護を訴える資料をトミーとつくろうとするが、そんな時、夏休みにトミーが転校することを知らされ、母さんからはレイリーさんにかかわるなと言われる。認知症の祖父の介護、大好きなマナティーの大けが、親友の転校、次々とふりかかるトラブルの中で、トミーは行き場がない感情に怒り狂い、爆発し、後悔し、絶望する。どんなに願ってもかなわない事だってある、そんな中でも自分の怒りに振り回されずに大切なことを見つけていこうと変わっていくピーターの変化が素直に描かれている。ただ、それなりに読みでがある本なので、読書力のある子にお勧めする本。
