『目で見ることばで話をさせて』の続編。あれから3年後、14歳になったメアリーのもとに手紙が届く。言葉が話せず、動物のようにうなったり人を襲う子どもを教育してもらいたいという要請だ。自分にできるのか? という不安も抱えながら、その子を助けたいという思いに突き動かされるメアリー。だが、実際に行ってみると屋敷のノリッジ執事は、女の子と会わせようとしない。こっそり鍵を盗んで忍び込むが、女の子はメアリーに襲い掛かってきた。この子にはどんな秘密があるのか? どうすればこの子とコミュニケーションがとれるのか? 謎は物語を楽しませてくれるが、同時にまがいなりにもメアリーを呼び寄せて教育させないなど、なんとなく納得がいかない感じも残った。それにしても、手話が日常語になっている島というのは、やはり魅力的。
