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スタンリーとちいさな火星人(2019課題図書小学校低学年)

 

スタンリーとちいさな火星人

スタンリーとちいさな火星人

 

 かあさんが、仕事で泊りがけで出かけた日、スタンリーも庭の宇宙船で火星に向かった。庭に戻ってきた宇宙船に乗っていたのは火星人(スタンリーそっくりだけど!)、ウィルにいさんもとうさんもスタンリー火星人をちゃんと火星人として認めてくれる。だけど、地球人としてどうしてもしてもらわなきゃいけないことは、しなきゃいけなくなるけどね。でも学校では火星人だと認めてくれない友だちとけんかをして、叱られてしまう。そしてお母さんが夕方帰ってきて火星人にであうと、火星人は急いで庭に行き、火星に飛び立ちます。手を洗わなかったり、友だちとけんかをしたりする悪い火星人はいなくなり、帰ってきたスタンリーとおかあさんは、互いに「あいたかった!」と、喜びます。かあさんがいなくてさびしい日を火星人になることで乗り切るともいえるし、さびしくて火星人になってしまう、ともいえる設定は、低学年よりもう少し年齢が上の子の方が、客観視して受け止めやすいかもしれない。この作品でいいのは、お兄さんも、とうさんもごく自然にスタンリーを火星人として受け止めてくれること。火星人ごっこをしても楽しいかも。