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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

うちの弟、どうしたらいい?

 

うちの弟,どうしたらいい?

うちの弟,どうしたらいい?

 

「弟をたのむわね」と言ってママは家を出ていってしまった、だから12歳のアニーは、懸命に8歳の弟スティーヴィのめんどうを見ようとします。でもふざけるのが大好きでいたずらなスティーヴィとまじめなおばあちゃんは、とても相性が悪い。間に立ったアニーはいつもハラハラしている。しかも、気が付けばスティーヴィは、近所の年上のワルとつるんで電車に石を投げたりとか悪いことをするようになり始めた! おばあちゃんには言えない。悩んだ末に、スティーヴィが新しい担任のストーバー先生を慕っていることに気付いたアニーは、先生に相談することにした。やさしくて頼りがいのある先生は、さっそくうまくスティーヴィを助けてくれるようになったのに、急に休職してしまう。どうしたらいいんだろう。思いきってアニーは弟と一緒に長距離列車に乗って、先生の家まで訪ねていこうと決心する。まじめなために、子どもなのに責任を負ってしまうアニーと、そのアニーから重荷を取り除くために動いてくれる先生。そして、アニーもスティーヴィもそのままで伸びていくことを肯定していく展開が魅力。当初、スティーヴィに手を焼いて、何かというとたたいていたおばあちゃんがかわっていく様子も良い。しかい、原著が発表されたのは1967年なのに、現在の日本で、アニーのように気をもんでいる子は、けっこういるような気がしてしまいました。