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地球以外に生命を宿す天体はあるのだろうか?

 

 

第1章天文学の歴史、第2章太陽系内に生命を探す、第3章太陽系外に生命を探す。第1章でまず、地球は決して特別な存在、奇跡の星ではなく、無数にある星のうちの1つ「非常にありふれた存在」であること。第2章で、地球が生命を宿す最大の要因、海(液体の水)が火星のほか木星土星の衛星にもあった(ある)と考えられる証拠。特に火星の1999年と2005年の写真で地形の変化が見られ、地下水の噴出かもしれないこと。第3章で、地球型惑星の発見を飛躍的に増やしたケプラー宇宙望遠鏡の功績など、生命体の存在を確信させるような発見を積み重ねたうえで、最終的に読者への宿題として、地球外生命体の存在への疑問を投げかけて終わる。

講座の話を聴いているようなやわらかく順序だった文章が、専門的な内容にも引きこませる。発展途上のどんどん進化していく分野の専門家から新しい視点をもらい、世界が開かれる。中学生の進路さがしにもよさそう。 (は)